情景描写の練習 ~『文章力が豊かになる本』を参考に~
はじめに
こんにちは、八尺です。
『文章力が豊かになる本』*1を参考に情景描写を練習します。
まず、情景描写のポイントをまとめ、同書の例文を掲載。
その後、フリー素材から情景描写を試みます。
一緒に勉強していきたいので、コメントくれると嬉しいです。
実用文における情景描写のポイント
『文章力が豊かになる本』によると、情景描写について以下3つのポイントをあげています。
「1」については、対象の情景を知らない人にとって分かりやすい説明を心がけるよう解説されています。
「2」については、時・場所などのみならず出来事(中心としたい話題)をも構成要素として把握することが重要だそうです。
「3」については、大状況→中状況→小状況の流れで「舞台」イメージ(全体状況)を述べ、その後登場する「人」・「もの」の具体的状況や動きの説明に入る、という流れを解説されています。
以上、3点を踏まえ『文章力が豊かになる本』における情景描写の例文を見ていきましょう。
例文から情景描写を学ぶ
ここからは、本書における情景描写の例から、上にあげた3つのポイントを見ていきます。
以下のイラスト(朝の通勤電車)が描写対象です*5。
まず、「主観を排し、客観的な目で光景を整理し直す」の観点から上記イラストを見ていきます。
これに関してはさしたる問題はないでしょう。
今回のテーマは、デフォルメされたイラストなので、主観が入り込む余地が無いように思います。
次に、「光景の構成要素を具体的に把握する」の観点から上記イラストを見ていきます。
以下、画像から読み取れる構成要素の洗い出し。
・朝の通勤電車(題目より)
・吊り革につかまり新聞を読むスーツ姿の男性
・ドアの近くで立っている1人の男性
・座席は満席で立っている人もいる
上にあげた構成要素のうち、このイラストの出来事(中心話題)にあたるのは、「吊り革につかまり新聞を読むスーツ姿の男性」になるでしょうか。
細かいところをあげるとキリがないので、このくらいで一旦区切ります。
最後に、「全体状況を述べて、(中略)具体的状況や動きの説明に入る」の観点から、上記イラストを見ていきます。
全体状況は、大状況→中状況→小状況の流れで説明するので、以下が妥当でしょうか。
・大状況:朝の通勤電車
・中状況:座席は満席で立っている人もいる
・小状況:ドアの近くで立っている1人の男性
具体的状況や動きは、出来事(中心話題)の「吊り革につかまり新聞を読むスーツ姿の男性」と定義して良さそうですね。
では、これらを踏まえ、『文章力が豊かになる本』中における本イラストの情景描写を引用します。
「朝の通勤電車内でのこと。混んではいないが、座席は満杯で、立っている人もいる。スーツにネクタイ姿の男性が、ドアに近い場所に立ち、右手で吊り革を握り、左手で新聞を持ち、それに読み入っている。」*6
いかがでしょうか。
「光景の構成要素を具体的に把握する」にてあげた諸要素を、「全体状況を述べて、(中略)具体的状況や動きの説明に入る」に沿って並べ替えたことで、伝わりやすい情景描写になっている気がします。
次章にて、ここまで学んできたことを活かし、情景描写を試みます。
情景描写~よく見るフリー素材を題材に~
以下の写真*7を描写対象とします。
早速、写真から読み取れる構成要素の洗い出し。
・昼の喫茶店
・人がまばらで利用者がほとんどいない(窓側)
・テーブル席に座る一人の女性
・女性のいで立ちは紺色のセーターにボーダー柄のシャツ
・女性はノートパソコンで作業中
これら構成要素のうち、出来事(中心話題)は「女性はノートパソコンで作業中」かと思います。
次に、全体状況を大状況・中状況・小状況に分類。
・大状況:昼の喫茶店
・中状況:人がまばらで利用者がほとんどいない(窓側)、テーブル席に座る一人の女性
・小状況:女性のいで立ちは紺色のセーターにボーダー柄のシャツ、テーブルには、スマホとマグカップとノートパソコン
具体的状況や動きは、出来事(中心話題)の「女性はノートパソコンで作業中」と定義して良さそうですね。
では、情景描写をしてみます。
「昼の喫茶店。窓際の席はいずれも空席で閑散としているが、奥まった所にあるテーブル席に1人の女性がある。彼女は紺色のセーターにボーダー柄のシャツという出で立ちで、スマートフォンとマグカップを脇に置きノートパソコンで作業中のようだ。」
こんな感じでしょうか?
やはり、情景描写のフレームワークに従ったことで、何とか伝わるのではないか、と思います。
終わりに
以上、情景描写の学習でした。
『文章力が豊かになる本』は、このように丁寧な説明がなされているので、学習しやすい用に感じます。
これからもぼちぼち更新していきたいです。